世界No1シェアのECシステム「Shopify」と国産ECシステム「BASE / STORES」との比較

数あるECシステムの中で、全世界的に人気の高い「Shopify」というECシステムをご存知でしょうか。

Shopifyは、全世界175カ国、170万店舗以上のストアで利用されている、世界最大のECプラットフォームです。

日本で有名なBASEやSTORESといったECシステムと比較しながら、特徴や違いなどを解説していきたいと思います。

この記事はこんな人にオススメです

  • EC事業(ネットショップ)のご担当者様
  • これからEC事業(ネットショップ)を立ち上げたい方
  • ネットショップやECシステムのリニューアルを検討している方
  • Shopifyについて気になっているけど、イマイチよく分からない方

ECサイトの種類について

Shopifyの話をする前に、前提情報としてECサイトの種類についてお話しします。

ECサイトには、「自社ECサイト」と「モール型ECサイト」の2種類に分けられます。
この2種類の違いについては、別の記事で紹介しているので、そちらをご覧ください。

独自ドメインEC(ネットショップ)とECモールのメリット・デメリット

さらに、「自社ECサイト」を設計・開発できるシステム(ECシステム)の中にもいくつかの種類があり、Shopify・BASE・STORESは、ASP型のECシステムです。

「ASP(Application Service Provider)」とは、カート会社が提供するECシステムを利用(レンタル)し、ECサイトを構築するサービスのことを言います。

システムとサーバーがパッケージ化されているので比較的簡単にサイト運営を始められる上、セキュリティ対策などのシステムメンテナンスは提供会社側の責任のもと随時行われるので、初心者でも安心してEC事業に専念することができます。

Shopifyについて

Shopifyは、2004年にカナダで創業されたShopify社が運営するASP型のECシステムです。

全世界175カ国、170万店舗以上のストアで利用されている、世界最大のECシステムに成長しました。

国内でも日本法人を2017年11月に設立し、カントリーマネージャーである太原 真氏(2021年5月就任)の元、国内ユーザー向けにローカライズ化をすすめており、Shopifyを利用するEC事業者や開発パートナーも増え続けています。

BASE・STORESとShopifyの比較

サービスの差を比較するために、費用・決済方法・サイト基本機能について、表にまとめてみました。
(表の情報は2023年7月5日時点のものです)

項目/ECシステムShopifyBASESTORES
費用
プランベーシックスタンダードプレミアムスタンダードグロースプランフリープランスタンダードプラン
初期費用無料無料無料
月額費用33米ドル/月払い
25米ドル/年払い
92米ドル/月払い
69米ドル/年払い
399米ドル/月払い
299米ドル/年払い
無料¥5,980無料¥2,980
サービス利用料無料3%無料無料
決済手数料3.4%~4.15%3.3%~4.1%3.25%~4.05%3.6%+40円2.90%5.00%3.60%
決済方法
クレジットカードVISA、AMEX、JCB、MasterCardVISA、AMEX、JCB、MasterCardVISA、AMEX、JCB、MasterCard
携帯キャリア決済
コンビニ決済
銀行振込
ID決済Apple Pay
Google Pay
Amazon Pay
PayPal
Shop Payなど
PayPalのみPayPal
楽天ペイ
PayPal
楽天ペイ
Amazon Pay
代金引換×
後払い決済×
サイト機能
独自ドメイン対応××
デザインのテンプレート数公式:100種類前後
非公式:1,000種以上
70種前後48種
機能の拡張性(アプリ数)アプリ:7,000種以上アプリ:85種前後アドオン:30種前後
マーケティング機能
SNS連携Facebook
Instagram
Pinterest
TikTok
InstagramInstagram
サポート対応メール・チャットメール・チャットメール・電話

BASEやSTORESには、無料プランが存在するのに対し、Shopifyは$25〜の有料プランしかありません。
できるだけ費用をかけずにネットショップを始めたい、手軽に始めたい方は、BASEやSTORESの方が向いています。

一方、Shopifyは$25〜の有料プランしかありません。
ただ、Shopifyには14日間の無料お試し期間が用意されているので、機能や管理画面などを確認したい場合に利用できます。

その分、EC事業を伸ばすために必要なマーケティング機能や、サイト構築の自由度が高い点が優れています。
EC事業を今後成長させていきたい方は、拡張性などを見越してShopifyをお勧めしています。

     

    サイト制作歴10年以上の私が感じたShopifyのメリット・デメリット

    Shopifyでのサイト運用や構築経験のある私が感じた、Shopifyのメリット・デメリットを紹介したいと思います。

    Shopifyのメリット

    拡張性が優れている

    BASEやSTORESと比較して、大きくShopifyが優れている点だと思っています。

    Shopifyのサイトに機能を追加したい場合は、アプリと呼ばれる拡張機能をインストールする事で実装します。

    このアプリ開発には世界中のエンジニアが参加しており、2023年7月現在は7,000種以上のアプリが登録されています。

    サイトに追加したい機能があれば、Shopify公式サイトからアプリを探してインストールするだけで機能拡張することができます。

    サブスク型の有料アプリが多い印象ですが、開発に大きな費用や時間をかけずに必要な機能をすぐに導入することができる点がとても優れていると感じています。

    既存のアプリに欲しい機能がない場合は、エンジニアに依頼してアプリを開発してもらうことで、完全オリジナルの機能をサイトに実装することも可能です。

     

    一方でBASEやSTORESで機能を追加したい場合は、有料機能をオプション契約することで解放してもらう形です。

    比較表にも表れている通り有料機能の数は少なく、ニッチな機能は今後も実装されることはないでしょう。

    自社オリジナルの機能を追加実装することもできません。

     

    開発スピードが早くトレンド変化にいち早く対応

    冒頭の解説にもあげましたが、Shopifyは全世界175カ国、170万店舗以上のストアで利用されている、世界最大のECシステムに成長しています。

    世界各国のECノウハウがシステムに集約されていくため、ECサイトのトレンド変化にもいち早く対応していく事が予想されます。

    機能単位で見ると、アプリ開発もパートナーアカウントを持つ世界中のエンジニアが参加しているので、開発スピードが早く、新陳代謝が活発だと感じています。

     

    マーケティング機能が優れている

    ShopifyがBASEやSTORESよりに優れている点に、マーケティング機能があると思います。

    EC運用において、マーケティング活動は必須手段です。

    Shopifyには分析機能が備わっており、売上商品構成や購入ユーザーの属性などを直感的に細かくセグメントして分析することができます。

    分析するだけでなく、セグメントした特定ユーザーに対してメールマーケティングを実施することもできます。

    例えば、特定商品をカートインしたまま1週間購入がないユーザーに対してメールで販促を行う、という施策がShopifyだけで完結します。

    BASEやSTORESにもメルマガ機能はありますが、Shopifyほど細かなターゲティングや分析はできません。

     

    その他のメリット

    • サイトの多言語化に対応しており、越境ECに必要な機能が揃っている
    • InstagramなどSNS連携に対応しており、集客に強い
    • POSシステムとしても利用できる
    • マルチチャネルに強い

    Shopifyのデメリット

    自由度が高い分、サイト構築の難易度が高い

    これは自社ドメインECのデメリットという側面もありますが、自由度が高い分、サイト構築や運用の難易度が高くなってしまいます。

    実は独自ドメインECをトータルでサポートできる会社はかなり珍しいです。
    多くの場合、サイト制作会社・広告運用会社・システム開発会社と、専門分野に特化している会社がほとんどです。

    分業していると「みんな言っていることが違って混乱してしまう。」というハレーションが起きやすいので、注意が必要です。

    弊社は社内にサイト制作・広告運用・システム開発の部門があり、独自ドメインECサイトをトータルでサポートできるため、そのようなハレーションを起こすことはありません。

     

    BASEやSTORESは、自由度が低くできることが限られてる分、サイト構築や運用の難易度は低いです。

    とにかく簡単・シンプルに運用したい方には、BASEやSTORESの方が向いているかもしれません。

     

    英語表記が一部残っている

    Shopifyはカナダ発祥のシステムのため、管理画面に一部英語表記が残っていたり、日本の商習慣に馴染みのない言葉があったりします。

    とはいえ、直感的なインターフェースなので大体は何となく分かりますし、各管理画面に公式ドキュメントのリンクが設置してあるので、参照する事で理解を深める事ができると思います。

     

    無料プランがない

    BASEやSTORESには、無料プランが存在します。
    できるだけ費用をかけずにネットショップを始めたい、手軽に始めたい方は、BASEやSTORESの方が向いています。

    一方、Shopifyには無料プランがありません。
    (14日間の無料お試し期間が用意されているので、機能や管理画面などを確認したい場合には期間中無料で利用できます)

    ただし、月額25米ドル(約3,500円)から始められるので、EC事業を拡大させていく意思がある方にとっては大きな経費ということでもないと思います。

     

    以上、個人的に感じたShopifyとBASEやSTORESとの比較でした。

    まとめ

    BASE・STORESとShopifyを比較することで、それぞれのメリット・デメリットが分かりました。

    PUREPLUSでは、Shopifyでのサイト制作・カスタマイズ・アプリ開発の実績が多数あります。

    Shopifyを使ったECサイトを運営したい事業者の方は、ぜひ弊社までお声掛けください!