人材不足を解決する組織シリーズ4回目の記事です。
前回までは、人材流出マニュアル 組織編と個人編を投稿しました。
まだご覧になっていない方は、ぜひ第1回から読んでみてください。
今回はここまでの総括と、人材不足を解決する未来について書いていきます。
創造的な仕事へ集中できる環境は仕組みやルールでつくる
人材流出マニュアルでお話をしたかったことは、「ルールや仕組みが組織への定着に作用し、環境により個人の生産性は左右される」ということです。
個人は不確実な仕事を「創造的な仕事」で解決するために、集中力を生み出す環境が必要になると考えています。
今回、私が1番伝えたかったメッセージです。
そして、ルールや仕組みをよりよくするには、時間や手間がかかるかもしれませんが、お金だけで解決することはできません。
つまりお金がボトルネックにならず、人材流出マニュアルを他山の石とすることでどんな組織でも、組織や個人のためにルールや仕組みをよりよくしていけるということです。
しかし、誰でもできるということは、最終的に組織の差別化がされないということになります。
結局、人材不足は解決できないのでしょうか?
いいえ。方法はちゃんとあります。
タユピンコ人の寓話
人材不足を解決する方法をお話をする前に、タユピンコ人の寓話をお話をしたいと思います。
以下、中山心太さんのTweetから引用させていただきます。
タユピンコ人の寓話
日本におけるタユピンコ人の移民は、1960年代からが始まり、2018年現在では日本人の3倍以上方が住んでいます。
タユピンコ人の特徴として、彼らは日本人に比べて超薄給で働きます。一説によると、日本人の十分の一や、百分の一といった低い給与で働いているそうです。— ところてん (@tokoroten) 2019年1月10日
一方で、タユピンコ人は融通が全く聞かず、話す言葉が極めて特殊で、彼らと意思疎通が行える日本人は極めて限られています。
そのため、現代ではタユピンコ人との通訳の需要が高まっており、この職に就き高い給与をもらう日本人が増えています。— ところてん (@tokoroten) 2019年1月10日
タユピンコ人は極めて頭が悪いため、彼らに分かるように説明をするには困難を極めます。
しかしタユピンコ語で、彼らにもわかる話をちゃんとしてあげると、彼らは文句も言わず、淡々と働き続けます。その結果、タユピンコ人を使った労働ダンピングにより、多くの日本人が失業しました。
— ところてん (@tokoroten) 2019年1月10日
タユピンコ人により多くの日本人が失業する反面、
タユピンコ人を3Kな職場に活用した結果、より高度な仕事を日本人に任せる企業も現れてきました。
もはや、タユピンコ人なしでは、現代の豊か生活は成り立たなくなってきているのです。
奴隷によって成立していたローマと同じようなものです。— ところてん (@tokoroten) 2019年1月10日
現代社会は言ってしまえば、タユピンコ人の奴隷労働、労働ダンピングにより成立しています。タユピンコ人の奴隷と同じ仕事しかできない日本人はどんどん失業していってしまっています。
そんな現代において、タユピンコ語の勉強というのは、将来の職を得るためには必須の技能となっているわけです。
— ところてん (@tokoroten) 2019年1月10日
タユピンコ人に険悪を抱く人もいるでしょう。
しかし世界はタユピンコ人の存在なくしては語れない状況になってしまったのです。タユピンコ人は人間が増える速度以上に増えていきます。彼らと協力して、彼らの働きやすい環境を作ることこそが現代のビジネスマンには求められているのです。
— ところてん (@tokoroten) 2019年1月10日
君たちには、この後二つの道が待っています。
一つは、タユピンコ人との通訳になり、高い給与を受け取る道。
もう一つは、タユピンコ人と労働力として戦って、彼らとの労働ダンピング合戦に巻き込まれて薄給になる道。
多くの職業が彼らと争って、消えました。君たちはこの後、どうしたいですか?
— ところてん (@tokoroten) 2019年1月10日
現代のテクノロジーの価値
お察しの方もいらっしゃると思いますが、タユピンコ人とは逆から読んでコンピュータのことです。
コンピュータを異民族の移民として考えることで、労働市場に起きる変化を描くわかりやすいたとえ話だと思います。
そして現在は、GAFAなどと呼ばれる企業がテクノロジーを駆使して既存産業を新たな産業に置き換え、世界経済の中心的存在になっています。
日本でもほとんどの業界や産業でコンピュータが使われています。
現代のテクノロジーはだれも無視することができない価値を生み出しているといっていいでしょう。
それでは、未来のテクノロジーとこれからどのように向き合っていけばいいのでしょうか。
AIは実現可能か
未来のテクノロジーを話題によく出てくるのが、2045年問題として有名になった「シンギュラリティ」です。
メディアでよく目にする「AIによって仕事が機械に置き換わり失業者にあふれAIに支配された未来」というすごく暗いイメージがありますが、私は違う考えです。
未来はどうなるのか誰にもわかりませんが、重要なことは「AIは実現可能か」ということです。
現在に実現されているAIは特定の条件や環境でのみ使えるもので、ドラ◯もんのような人間と同じように思考できるAIではありません。
2045年に人間と同じように思考できる汎用的なAIが実現されるのか、これは誰もわかりませんがAIが人間を支配しない未来を予測することはできます。
その未来の労働力はロボットやコンピュータに置き換わり、現在予測されている2035年の49%よりもさらに働く人間は少なくなるでしょう。
仕事を失う多くの人間のために、ロボットやコンピュータが生み出した富の再分配をするためにベーシックインカムが導入されると考えられています。
また、人間による「創造的な仕事」によって生み出されたものは、機械に置き換わったものより高い価値が得られるようになります。
例えば、心理カウンセラーは高価値になるほど人間によって行われるようになると予測されています。
たしかにロボットに悩みを相談して解決できたとしても、人間に悩みを相談して解決したいと思うのが人間だと思います。
そうして働きたい人間は働き、働きたくない人間は働かないという未来と、機械では再現できない人間の創造力の価値が認められる未来が同時に到来すると予測されます。
人間は「創造的な仕事」だけを行い、それ以外の仕事は機械に置き換える未来。
それは人材流出マニュアルで伝えたいメッセージと、全く同じことが未来で起ころうとしています。
今のビジネスをどうアップデートさせるか
今のビジネスをどうアップデートし、人材不足を解決していけばいいのでしょうか。
それは「創造的な仕事」に価値があることを理解し、それ以外の作業を今できることから機械に置き換えていくことです。
未来で当たり前になるであろうことを、今のテクノロジーでも十分活躍できると私は考えています。
まず、組織の中で「創造的な仕事」以外を洗い出し、マニュアルにまとめることから始められます。
マニュアルが完成すれば、ほとんどが自動化することができるはずです。
自動化するにはコストがかかります。すべてを自動化することはおすすめしません。
しかし、自動化した場合の削減されるコストが自動化するコストより大きければ、検討するだけの価値が見出されるはずです。
もし自動化できれば、人材不足で悩んでいる組織はもちろん、「創造的な仕事」に集中できない組織を変えることができると私は信じてます。
最後に
最近では、人工知能やIoTなどの技術的なトピックを目にすることが増えました。
第3次人工知能ブームと呼ばれ、いろいろな企業は導入をすすめています。
なぜそういったブームになったのかという話を、技術的な解説を一切おこなわずに、なぜ必要なのか重要なのかというアプローチでお話をしたいなと思い、この記事を書きました。
それでは最後に偉人の言葉を。
創造性で勝負する人たちは、わずかな労力で多くを得ようとします。
すなわち彼らは、たえず新しいことを試し、必要なことはなんでも学習し、他業種の専門家たちと自由に交流して刺激を受けたいと思っているのです。バルバラ・ベルクハン