前回からの続きで、人材不足を引きおこす人材流出マニュアル。
今回は組織の目線で書いていこうと思います。
ここから読むとなぜこんなブラックジョークのような記事なんだろうと混乱すると思いますので、ぜひ第1回の記事からご覧ください。
あと実際の組織で利用するなどの悪用は厳禁です(笑)
組織の問題は個人の力で解決させろ
組織を維持・発展させることができる極めて重要な要因は組織の仕組みです。
そこで組織の仕組みを棚に上げることで、個人が頑張らないと維持できない組織を作りましょう。
組織は個人の集まりです。
組織で問題が発生した場合、表面化している問題は関わりのある個人の責任と認識させ個人または個人間で問題を解決させましょう。
また潜在的な原因を深掘りし改善を続けると、問題が発生しにくくなってしまいます。
問題が増え慢性化すると個人を疲弊させ本質的な業務を阻害させることができるでしょう。
そうなれば個人は退職を考えるはずです。絶対に組織における潜在的な問題の原因を深掘りすることはやめましょう。
プラス評価をせずにマイナス評価をしろ
結果を出した個人への報酬として給料が支払われているので、それ以外の金銭的インセンティブや社会的インセンティブを与える必要は一切ありません。
よってプラス評価は基本的に不要です。
もしプラス評価をするのであればあいまいな評価項目と残業時間の多さを設定しましょう。
そして必ずマイナス評価を設定しましょう。
評価項目はミスの指摘数や通院や介護・育児などいかなる理由を含めた遅刻早退欠勤の数が最適です。
残業をするために生産性の低くなり、他人のアラ探しに夢中になれる環境構築が可能になります。
マイナス評価は個人の努力を否定する素晴らしい評価方法です。
上司や同僚に良い評価をされると居心地が良い組織になり個人は定着するという性質を逆手に取り、マイナス評価をすることで居心地が悪い組織を作りましょう。
誰がやっても結果が同じ作業だけさせろ
作業マニュアルを整備し誰がやっても仕事の結果が同じになるような確実性が高い作業だけやらせましょう。
いかなる状況でも例外が発生しないように複雑なマニュアルの整備が重要です。
ミスは複雑な作業や同じことを何度もさせることによって発生する頻度が増えます。
人間は機械ではないのでミスをしますが、ミスは個人の問題だと思わせましょう。
ミスを発見しだい組織に個人名を含め公開し、個人間での指摘にとどめてはいけません。
誰でも作業できるマニュアルがあるなら個人の作業を自動化することができ、間違いなく格段に減らすことができますが
もし自動化されると、個人は創造的な仕事に集中してしまい誰がやっても同じ結果にならない可能性が高いです。
確実性が高い作業を繰り返すことで個人にミスを発生させ創造性を奪うことが目的なので、自動化実現への提案は費用対効果など関係なくすべて却下しましょう。
やってみるまで結果がわからないという不確実性の高い作業は、集中力を促しやりがいや達成感を見出してしまうため危険です。
やりがいや達成感を感じてしまった個人は気持ちよく自主的にやる気をもって働いてしまうので注意しましょう。
個人の序列を可視化させるな
個人は序列や秩序を可視化させることで、自己認識を進め評価されようと行動してくる性質があります。
役職や役割などがあると個人は努力して評価を得ようとしてくるのでそもそも役職や役割はなくしましょう。
役職をつけなければいけない場合、役職名で呼ばずに役職や役割を意識させないために個人名で呼ぶように徹底しましょう。
そして誰がどの役職なのかを見える状況にしてはいけません。
また組織目標や個人目標、競合との比較などは見える状況にしてはいけません。
ましてリアルタイムに見える状況などもってのほかです。
状況に応じて作業を変えさせるな
社会や業界の状況を個人に意識をさせてはいけません。
生物は状況の変化を察知する本能を持っているので、常に状況が変化する環境で作業を行うと集中力が高まり評価される仕事をしがちです。
能力の高い個人は状況に応じて自主的に作業方法を変えようとしてくるので、すかさず指摘しましょう。
特に変化が激しい業界は注意が必要です。
変化に影響しない働き方を進め、どんな状況において変わらないことが価値がなくても変化しない仕事を続ける努力を奨励し、古い方法に今までの歴史的な価値と満足できるものがあり、新しい方法に価値がないと思わせましょう。
組織の未来を憂いた個人は退職を決意するはずです。
コミュニケーションをさせるな
個人のコミュニケーションを活発にさせることは組織のネットワークを複雑にしてしまいます。
組織のネットワークが複雑になると、その関係性で個人は自己定義され満足してしまうので注意しましょう。
基本的にコミュニケーションは不要です。双方向でコミュニケーションできる機会は絶対に作ってはいけません。
業務に関係のないコミュニケーションであっても、時に議論を促し、個人だけでは出来ないことを協力することで問題解決させてしまいます。
もしコミュニケーションを行う場合は一方通行のコミュニケーションが望ましいので社員総会や部署の飲み会などで
社長や上司からの話だけを聞かせるようにして、個人が行きたくないと思わせることができるコミュニケーションの場所を作っていきましょう。
定期的に組織構造を見直すな
組織やその役割に有効期限をつけることにより、個人の活動が活発になってしまうので無期限の組織を設計しましょう。
組織変更は退職者が出た時にだけ変更し、組織ネットワークを固定させることによって個人の能力を抑制できます。
個人の評価によって組織変更が起きないことを明らかにすることで、個人の怠慢につながり責任を曖昧にする仕事が増え誠実な人材を流出させられるでしょう。
組織構造はより発展・成長を続けるために重要で、組織が成長することは個人の自己承認を進めてしまう危険性があります。
組織構造は決定者への異議を許さない上下方向の情報の流れが強く、組織間のつながり禁じるような独裁的な縦割り組織構造がいかなる場合であれもっとも適切です。
ビジョンや理念は共有するな
問題解決をする場合など、個人間で対立が起こることがあります。
もしビジョンや理念などの価値観を共有してしまうと、個人の意識が統一され思考に迷いがなくなるので対立をやめてしまいます。
またビジョンや理念などの明るい未来を日々意識させると、個人は組織を信頼しやりがいを得たり、自己承認を進めてしまい人材が定着してしまう恐れがありますので、絶対に行ってはいけません。
最後に
この人材流出マニュアルを作った感想は、働きたくない組織をすっきりと書けた実感と、実際の組織であてはまってしまう項目も少なくないのではと怖く感じました。
自分のいる組織や新しく入る組織の参考にしていただければ本望です。
特に人材不足の福井では素晴らしい組織が増えてほしいです。
次回は、人材流出マニュアル 個人編を書いていきたいと思います。
それでは最後に偉人の言葉を。
人の強みを生かすことが組織の目的でありマネジメントの権限の基盤である。
ピーター・ドラッカー
追記
次の記事作成しました。